体重幻想男
ひたすら「男が見てもおかしな男」を間引く作業をする為登録したわけでもないので、ちらほらプロフィールに目を通し始める
意外に多いのが「太っている人は自己管理ができてないようで苦手」という声
病気や薬の副作用ってケースもあるのになぁと思いつつ
ちょっと気にはなる
妹にはもう数年会ってないので体型がわからない
しかし俺が聞けば無視されるだろうから嫁にリサーチを頼む
嫁「実数で送られてきたけどリアル数値答えるとかわいそうだからBMIで17.3。低体重ガリガリファミリーだね」
はい
俺は陰でプリッツって呼ばれているらしいです
親父と2人で歩いていたら菜箸と言われました
今度は嫁と一緒に男性陣のプロフィールを確認
『太っている女性は本当にダメです。45kg以上なんてありえません』
嫁「うるぉぉぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ」
※モニターを殴ろうとする
慌てて止めに入る
俺「どうした!?」
嫁「まだ『女の体重幻想』男がいるのか!?この歳で!?D貞だろ!?」
俺「全然いるよ?なんなら婚歴あっても既婚でも40kg代後半はデブ発言する奴」
嫁「で、実際に40kg前半女見たら『うわっ!ガリガリ!きもっ!』とか言うんだろ?え?」
俺「ちなみに嫁ちゃんは53kgぐらい?」
嫁「私、153cm。あなたとは30cm近く違いますが、体重はほとんど変わりません」
うん
俺もここまでひどくなくても体重幻想ありましたね
女性の体重幻想男を代表して謝罪します
「普通」って?
間引いても間引いても次から次に来るお申込み
最初の頃に申し込んだ人においては、「OKでもNGでもリアクションぐらいするのがマナーじゃないんですか?」と追送がちらほらと来始める
登録3日で2000件申し込みが来て、レスポンス返せると思っているなら井戸の中から出てきて大海を知ってほしい
マナーかなんか知らんが、そんなん書いて申し込んで来る奴にOKするワケないやんて少し考えたらわかるやん?って、そか
意思の疎通が難しい人が世間には多くいるんだった
お断りしやすくなりましてありがとうございます
しかし、マナーとかモラルとか一般常識とかいう言葉で、持論を大きく展開するのは見ていて恥ずかしい
「普通こうだろ」って言う奴の交友関係の狭さ
お前の「普通」の分母、小さすぎない?
って、ブーメランが刺さるからやめておこう
やってみてよかったかも
このサイト
別端末で同時ログインしてもバグらないようなので
パソコン:我が家
スマホ:妹
で、双方チェックできるようにしている
すると妹からLineが
妹「なんかごめん。とんでもないことやってもらってる。でもありがとう」
ありがとう…か
嫁にはずっと感謝や謝罪が届いていたようだが、俺にまで届くなんて
初めて「やってみてよかったかもしれない」と思えた
これをきっかけに、「兄妹仲良くして欲しい」という親の願いがかなえられるかもしれない
なんだろう
言葉にするのは難しいけど、親の為にも、妹の為にも
何より俺の為になっているかもしれない
とにかく
嫁に感謝
妹「だけど、あんたのことは顔も見たくないほど嫌い」
振り出しに戻ります
ないものねだり
妹の言う「ルックスにこだわるほどブサイク」を真に受けるのもなんなので、きちんと市場調査をしてから真偽を確かめることに
相手に求める条件のルックスを高く設定している男性をピックアップ
…
…
…
人間って
自分にないものを求めるのですね
ゆにばーすのはらちゃん+俳優のきたろうさん
俺、もしかしてイケメンかな?うふふ
なんてほざいている場合ではない
いやぁ酷いな!笑えるほど酷いな!
んでさ、「ブサイクなのに美人を求めてスミマセン」な姿勢ではない
嫁「女もそうだよ。ブスほどイケメン好きじゃん」
俺「確かに。美男美女カップルって見ないな」
嫁「美男美女って、標準的な価値観の人には『恋人いるだろうな』って相手にされず高嶺の花になる。そこにブサイクが『フリーだぜへっへっへ』って近づく。それで『この人しか言い寄ってくれない』とくっつくパターンね」
もう一つ気になるパターンとしては、新幹線の改札前でいちゃつくカップルさんの両方とも…なんでもない
嫁「あと、私が言うと切なくなるけど、美男美女って性格いいんだよね。子供の頃から知らない人からも『かわいいかわいい』言われて社交的になる。『おまけだよ』『お先にどうぞ』なんて親切にされることが当たり前だから本人も周りへの親切が当たり前になる。ブサイクって子供の頃から親切にされないから歪んでくるんだよね。鬱積したいろんなものが『せめてスペックの高い相手を連れてることで』って曲がったオピニオンが発生する。ブサイクを自覚してると冷静なんだけど、大概が自覚してないから曲がったことにも気づかない」
なるほどなぁ
しかしそれを文章に組み込むのは大変に難しい
「ブサイクのクセにルックス求める人はやめてください」とは書けない
現段階でもう対処できないほどの申し込みが来ているので
・相手にルックスの良さを求めているブサイク
・及び、「写真に一目ぼれ」「見た目がタイプ」等々、ルックスにしか言及してない
・「若く見られます」って書いてる
・プロフィールが吐くほど気持ち悪い
・ちょっと何言ってるかわからない(意思の疎通は不可能だろうから)
・申し込んできたのに何故か上から目線(これ本人気付いてないんだろうけど結構多い)
・完全に申込内容メッセージがコピペ(これバレてるぞ)
・自分語りポエマー
次々間引いていく作戦に
おぅぅぅぅ
半分ぐらいになったよ
ルックスにこだわるブサイク
「数件申込来たらいいなあ」なんて夢を抱いて登録したら、24時間で1000件を超える申し込みが来てしまうという大惨事に
・身長183cm以上
・年収5000万以上
・35歳以下
・旧帝大卒以上
と、「そんな奴おっても婚活サイト登録するワケないやん」な条件を追加して食い止める
上記条件は冗談としても、何も書かないと申し込みがきすぎるのである程度は絞りたいが、仕事帰りの俺と憔悴した嫁では何も浮かばないので妹本人にもアイディアを求める
俺「なぁ、好きなタイプは出てこないにしても、吐くほど気持ち悪くないとか、意思の疎通がみたいに『どうしても無理』はあるだろ。その逆を上手いこと条件として組み込もう」
妹「ルックスにこだわる人はやだ」
俺「なんで?」
妹「だって、相手のルックスにこだわる人ほどブサイクじゃん。そして自覚ないどころか、逆にナルシスト。自分の思う自分と周りが見る自分って真逆だよね」
なんかデジャブだな
妹「あと、ルックスや年齢にこだわる人って、『ほなお前は不老不死なんけ?』って思う。私だってばーちゃんになる。そしたら別れるの?不慮の事故で見た目が変わったら捨てるの?ルックスにこだわっていいのは不老不死で事故にも遭わないイケメンだけでしょ。だから今までの人生でも、『一目ぼれです』『容姿が好きに』って告白してくる人は被せるように『イケメンになってから来い』って断ってる」
言わんとすることの理屈はわからんでもないが、断り方があるだろう
「ルックスにこだわらない方」を追加してみるかどうするか
1日で申し込み4ケタ
帰宅
嫁、憔悴
感情のない顔している
俺「何があったか聞く前に…ごめん」
嫁「うん…あはははは。こっちもごめん。1件も捌けずに1000件超えた…あはは」
俺「あはは。せんけん?あはははは」
申込なんてそうそう来ないだろうし、そんな高くないから有料登録する?なんて考えていた昨日が既に懐かしい
1日で1000件
嫁「とりあえず、『年金暮らしだから、働いてくれ、家事も出産も育児も全部してくれ。俺が動けなくなったら介護もしろ』『心身の事情で働けないから以下略』『コブ付きだけど、俺だって遊びに行きたいから以下略』みたいのも来ちゃうね。食い扶持自分で稼ぐ家政婦探してる人は消そう。ある程度の年齢と、平均的な収入、身長を追加したんだけど、そんなのおかまいなしにガンガン来る。読んでないんだよ」
その間にもどんどん申し込みが増える
俺「もっと条件追加しないとこれキリないぞ?」
嫁「条件なんて書いたって読んでないよ?」
俺「それでもさ、何か入れないと」
嫁「って何?」
俺「浮かばない…」
とりあえず止めなければ、このまま誰のプロフィールも確認することができない
一旦、身長183cm以上、年収5000万以上、35歳以下、旧帝大卒以上、を追加してみる
止まった
ほっと胸をなでおろす
しかし
直後に来たのは
「あなたの理想はただの記号です。バカバカしいこと考えず、フィーリングを大事にしましょうよ」by42歳・年収600万さんより
フィーリングの前に自己を見直すところがある
スペックではない
性格なんだよ
フィーリングなんて言葉使う奴ほど、他人が自分に合わせてくれてることもわからずに傍若無人なんだろ?
わかった
低スペほど理想が高い→理想が高いことも低スペにも気付いてない
それもだけど
なんかこう、そういう人って性格が悪いんだよ
妹の出した条件
・吐くほど気持ち悪くない
・意思の疎通ができる
これは実はものすごく高い条件に感じてきた
とは言えども
好きなタイプの欄に上記2つを記載したところで、客観視できない人間がそれを自分のことだなんて夢にも思わないだろう
職場の若いかわいい子に少し親切にしてもらっただけで「俺に気がある」と思えるオッサンとは、俺はどうしても相容れないんだろうな
いざ出陣
プロフィールを登録し、早速公開
夜も遅いし、明日の朝を待ちましょうかね
何件か申込来ているといいなぁ
A子さんの言ってた「結構来る」はいったいどのくらいなんだろう
翌朝
サイトを開いてみる
お申込み:660件
(-_-)
(>_<)
(@_@)
お申込み:680件
6~8件ではなく?
いやいやいや
なんじゃこれ?
俺「おい、ちょっと!捌けん!」
嫁「何が…うわ!なんじゃこりゃ!」
俺「どうしよ!?」
嫁「と、とりあえずなんとかするからアンタは仕事行け!」
俺「マジすまん!」
申し訳なさにつぶされそうになりながら出勤した